新幹線の窓から見えてくる あれは たしかに わたしの街 樹脂の肘掛けのボタン 押しても何も 起こらない 波打つ外の配線も アナウンスもいつもと変わらない ぼんやり 昨日と今日が重なって k+1に同じ でもね 答えは間違ってて みんな 散り散りに飛んでった 散逸的な世の中の 真ん中にあるきもち レジストリ レジストリ もういっそ ぜんぶって 捨鉢になんてなれないよ 中途半端に積んできた わかってる止まってる 去年付の日記 掃いて捨てるほど目まぐるしいか そんなら頂戴よ ねえ 夏の陽射しが 冬におりた霜が 光らなくなった わけがある 肘掛けのボタン 背もたれのボタン 便利でつまらなくて 大切なこと そうやって出来てるんだ 先人におんぶに抱っこだよ 髪留めひとつからサターンVまで ぼんやり思ってたんだ 明日も今日になる 観覧席めがけてピースサイン まぐれ当たりの皮算用 レジストリ レジストリ もういっそ ぜんぶって 振りかぶったって誰もいない みんなの背中だけ 遠くに見えてるんだ 寒い 暗い 鐘が鳴る 陽が落ちる前に帰りましょう こぼれて消えてったまたあした 新幹線の窓から見えてくる あれは かつての わたしの街
