幽霊の住んでるこの町の ピカピカ光る57個目の石 見つけられる場所はたったひとつ 他にはないの ここは安らかな丘 諦めてしまえばいい 何者にもなれないことも 全て忘れてしまう 心配しなくていい 誰も記憶をついばむ おんぼろ木の椅子とカラスも おじぎを競う ここへ来てから ずっと指から出てくる 透明で白く固いこのプラスチック ポトポトと落ちていく 柔らかい肉になりクネクネと蠢く 新たな命の匂い クルクルクルクルクル… 木々の手が 僕の肌を破り 細い枝を伸ばすと少し痛過ぎて 体中が笑う 胸に大きな穴があいた ―もういい… 涙も忘れたの、君さえも。― ―ああ このまま殺して。― ’理解できない’と ぼんやりとした人が吐く 丘に散らばった石