魔法が剥がれても、 どこかで逢えますように。 鼓動が止まっても、 この指がピアノを弾けますように。 紡いでくれている ステッチの隙間から、 美しい音がこぼれる、こぼれる、 こぼれる。 不思議な機械で、 未来につながる迷路を描きながら、 軸足の壊れた 友人(オートマトン)が笑った。 あなたの世界が最も うつくしいのよって 褒めてくれたから こんな暗がりも ぼくはすこしだってこわくないん だ。 ありがとう、さよなら。 ありがとう、ハロー。 部屋の中でうつ伏せで動けないや。 ありがとう、さよなら。 ありがとう、ハロー。 呼吸のひかりを樹脂に閉じ込めて。 ありがとう、さよなら。 ありがとう、ハロー。 部屋の中でうつ伏せで動けないや。 ありがとう、さよなら。 ありがとう、ハロー。 愛を語りだすこの口を 縫い付けておくれよ。