暗闇で 指先を 伸ばすわけでもなく 閉じたままの窓を開き 風を呼ぶわけでもなく ただ 私はそこに居ただけ 何もしたくない 成りたくもない 風が奔るよ チェリー チェリー いま 彼方から鳥が 十字架の形をしながら 海から山へ 飛んで行った 飛んで行った それだけでいまは 胸がいっぱいよ 帆を上げ 船は行く 畝る水面 食べながら 煙をもくもくと 上げながら走る 海を割りながら ただ 私はそれを見ただけ 伝えたいことなど何も無いのよ 白い飛魚 チェリー チェリー 光を求めて泣いた 見渡す限りが私の日々だ 日々だ 日々だ 掌広げたら 消えてしまいそうで この 遥かな海が 見渡す限りの 桜吹雪でいっぱいになるまでは までは ここで只 胸を壊していたいの