「はい。私がやりました。」 とにかくうざかったんです 朝起きた瞬間から纏わりついてきて なんなら 昨日の夜中からずっとですよ もう、うんざりでした 誰かがやらなきゃいけなかったんで す その誰かが私だったんです ただそれだけの話です 特別恨みとかはありませんでした (大嘘) むしろ偉業を成し遂げたと 思ってますよ、私は 嘘をついてると思ってます? 本気ですよ 本気でこの世界の救世主だと 思ってます チリン、と鳴る鈴の音で 宇宙人は暗示にかけられ 回る羽に向かって間抜け面で 話しているよ 赤いクレヨン握りしめながら 「はい。私がやりました。」 脱皮の瞬間を懐中電灯で 照らしたんです 「頑張れ」って声をかけて その様子を絵日記に描いたら なんと学校で 賞をもらっちゃったんですよ でもね聞いてくださいよ 5分後に現場に 戻ったらいなくなっていて 無事に逃げやがったなって 言い聞かせてたけど あの後私以外の汚い大人に 食われたんじゃないかって思うと 内心罪悪感でいっぱいでした 「俺が喰いたかったのにー!」 ミーン、と蝿が集(たか)る 私の光はあの子の月 そうだあのときが 初めての 瞬間だったのかもしれないね 「君のことが好きだ」 と言われたときから こいつは偽物だって気づいてたけど 幸せな記憶が辿った場所が 湿っぽい土の匂いが 恋しくて刹那くて このままでいられたらそれで イイって思ったんです 「そのまま冷凍庫ごと 離れの倉庫に 大事にしまいました。」 チリン、と鳴る鈴の音で 宇宙人は暗示にかけられ 回る羽に向かって間抜け面で 話しているよ 青いクレヨン握りしめながら ミーン、と蝿が集(たか)る 私の光はあの子の月 そうだあのときが 初めての 瞬間だったのかもしれないね ああどうやら私は 勘違いしていたようです 宇宙人の手で 暗示にかけられていたようです 暑さにやられた私の目には 全てが 恨みったらしい夏に 見えてしまっていました
