枯れた庭の隅 蝶を追いかける 黒い猫と白銀瞳の少女 蜜を探し疲れ羽を癒やしに 舞い降りた蔦の這う屋敷の窓 灯りの消えた薄暗い部屋 薔薇が落ちていた 遊び疲れ 少女と猫は 屋敷に戻り 母親の姿を探せど 嗚呼、何処にも居ない 火の気のない暖炉のそばで 疲れてる眠る少女 猫が悲しそうに鳴いた <♪> ある日少女と猫は ついに見つけた 屋敷の奥 錆びついた扉の部屋 蜘蛛の巣が揺れる フリル天蓋の ベッドに沈んで 母親は寝ていた 喜んだ少女駆け寄ると胸で 薔薇が枯れていた ママどうしてお胸が赤いの ねぇ薔薇のよう ママわたしは お腹がすいたの ねぇ起きてよママ 少女の運命を嘆いて 母親は命絶った 猫が寂しそうに泣いた <♪> “絶望が生への執着を 露呈させる 私は生きているの? 私は死んでいるの? ここにいるのは本当の私? 私は闇 私は光 私は風 私は誰 痛みだけが 私の存在を証明する” <♪> ママお庭に薔薇が咲いたわ ねぇ綺麗でしょ ママ私は独りじゃないわ ねぇ平気よママ 朽ちた屋敷永遠を生きる 少女のそばに 白銀の瞳を細めて 黒猫は寄り添って 甘えるように鳴いた