少し背中を 丸めたまま 黙って寄り添ってくれたね 誰にも見せない涙の理由 言わなくてもわかる気がして あなたはそっと目をそらして 静かに時間をくれたの 優しい声より 深い沈黙 その意味を わたしは知った 本当のやさしさ 初めて知った あたたかさって 押しつけじゃない 気づかぬフリで 見守ってくれる わたしも誰かに できるかな 寒そうな人に 黙って上着 戸惑うわたしに 笑って頷く 「ありがとう」さえ 言わせずに 立ち去る背中が 胸に残った 正しさよりも 静かな選択 その強さに 触れた気がした 確かなやさしさ そばにあったんだ 名前もないような気遣いが 胸の奥まで 沁みてゆくから わたしも強くなれそうで 悲しみの中に 光をくれた あなたのふるまいが 道しるべ 私のやさしさ 届けにゆくよ 誰かの痛み そっと包んで 言葉より先に動けるように あなたのように なりたくて 今日もどこかで あなたみたいに 温もりを運ぶ人になれたら