最終幕を型落ちテレビで見てる 喝采の音がちょっと遠くに聞こえて 間違ったままの手順を踏んで 興業は続いていくしかないよ。 ぼくは知ってる あんよの頃から見てる ただちいさな助手が 曖昧に困るだけで 口を出すのも可哀想で 何も言えないような人だよ 。 …なんで。 今、小さく引きつって 君がそっとうなった でも痙攣する腕は 画面越しには分からない 失敗作はただ 秘密裏の処理を受けながら 幼いあの頃に戻っている 。 録画を見てる。 遠くて見えないぼくの心は どこか曖昧に困るだけで それは何だかすごく怖くって、 日がな見返しつづける。 もう郵便受けはいっぱいの 招待状であふれていくよ 病気になってしまった夜 目が覚めて演台の上 知らない手だ、 ふにふにの、 それが、 ちょっと狂って、 今、疲れたぼくの心を ぼとっ、と取り落とす 誰ぁれも気づかずに、 拍手の中で 心だけが 幼いあの頃を待ちわびて もうじき会えるかね…? 喉がそっとうなった でも震える手! あの子の声さえもう ぼくの頭は分からない 小さなカタコンベ、 ぼくたちの、ただ心だけが おさないあのころにもどっていく。