手の平で崩れる 忘れ雪 夢語り 往く旅人に せめて溶けぬ 『花』の揺り籠を もう ひとりきり 吐息が 響く廃域 穢すように 足跡を残した 胸に 棲みついた言葉は情熱を 奪われて溶け 幾度 形を変えては 終わらない 夢を魅せる 空舞い 地を流れ 天に焦がれる 眠れぬ守り人の 声が 雪に消えた 静謐な 黒き塔 嘯く樹氷が嗤う 視界に 映すのは 風花 仰げば墜ちる 綴る終末 心刺す 慟哭 雪に埋もれて視る夢で 逢いたいのは 君だけ 吐息が 絡めば 消えゆく 目覚めない 夢が欲しい 凍れる 朝月夜 眩惑が手招く 眠れ 永久に 溺れるまで 白の闇に ほら 鐘がなる 終わりが 始まる合図 耳を塞いでも 逃れぬ 赫き残響 閉じた瞼に 残る銀花の影 拭いきれないなら 全てを ねえ 終わらせて 雪に埋もれて視る夢で 逢いたいのは 君だけ 夜空に 舞う花のように 終わらない 夢を願う 音が凪いで 静けさを纏う 悲しみを殺して 翳る空を穿つ月よ 旅立つ先を導いて 溶け往く夕月夜 雪に埋もれて 眠れ 永久に 溺れるまで 凍る柩に沈みゆく 白の闇へ