スタイル

歌詞

フロウの究極は喋りやと思うねん じゃあビートは 何でもいーかっつーとそうじゃなく そのビート特有の自由スペースに 言葉を落とし込む 踏んでないことで生まれる 言いたいことでしか 書かれていないという 説得力 補うために求められる威力 フックすら展開 バースでぶち抜く アルバムのマスターデータ納品を 終え 今日ぐらいはやりたいことをやりま くろうと 朝からサウナ 読んでなかった漫画を読む だがどうも満たされない心 うまいもんを食う 尚も続くもやもや そっからもいろんなことに手をつけ やっと満たされた 行為に狂気的に笑う 「なんや俺 作詞がしたかったんや」 HIPHOPが好きだ どんなことも言葉に変えれてしまう この音楽が好きだ HIPHOPとは何か? それを満たすのではなく それを揺るがす表現こそが HIPHOPだ たった一行で報われる 数時間 数ページがある コーヒーをコースターに置いて 思い知る 書き手の一番の幸せは 書いていて楽しいことだ 好きな作家さんの新作がいまいちで 感覚も消耗品であるかのように感じ 年を重ねながら表現し続ける 未来の暗い一面を見た 「あんまやった」という言葉が持つ 麻薬のような要素 本の感想を聞かれ 口角が上がるのをおさえながら返す 「あんまやったわ」 『夢』という大作に届いた 低評価のレビュー どんなことにも動じひんのが 自信やと思ってたけど ささいなことで大きく崩れるのが 自信やと知った 「三日月から聴いていましたが」 という 言葉が持つ破壊力 その内容が正しいかは問わない そこに嘘はない だから傷つく かつて刺せた人に 刺さらんくなったことを 嘆くんじゃなく 今刺せん人にも 刺せた作品があることを誇ろうと 思う 出した作品は過去にならない 自分の血となって全身を流れ続ける そして今日も目指す それらが束になっても敵わん 新しい一作を HIPHOPが好きだ どんなことも言葉で 残すことができる この音楽が好きだ HIPHOPとは何か? それを示すのではなく それを広げる表現こそが HIPHOPだ たった一行がだめにする その言葉に 鋭い二重線を引く レビューや回数 書き手が一番信じるべきは 書いている時の手応えだ