Track by沙城さし
温い暮れ纏った風が 遠く爆ぜる様な 鈍く歪む情が 奥で燻って居る。 狂いそうな静と寂を 拒む様に弾く 鉄の弦の鳴は 熱を孕んで。 騒ぐ世には流行歌 共鳴る思ヒ出も唯の影だ。 そんな無常の中、焦燥だけ 此の身灼く音に成る。 鴉刻、撃つ空しさ。 凡て泡沫と消えて往くのか。 問うた向こうに見た 憧憬が唯、焼き付いて。 鳴らす其れは足掻キ歌 塞ぐ現に散らせ火花 吐いた有象の中 焦燥よ、唯、此の身灼く音に成れ!