「道行く人が口ずさむのは ぼくが考えたメロディ 信号待ちのリズムに 4つ打ちのキックが重なる ヒットチューンそこで呼ばれるのは ぼくが閃いたタイトル 誰かの日常をそっと借りて 音が息をする 多少の心無い声もご愛嬌 この世界ぜんぶが 少しだけこちらを向く 生活にぼくの音が染み渡る」 ……なんて夢だ 少しだけ増えた再生数は 昨日ぼくが聞いた分だ 誰も知らない音楽にまた ほこりが積もっていく どうせ歌詞とか大して読んでないし スマホじゃきっと聴こえないし 意味も何も見つからないまま またピアノロールを開く 何回目だ 棚の隅に眠るディスク 惰性で上げ続けたデータ ここにいたよと置いておく いつか誰かに届くように 誰かに聞こえるように。
