啼くのは鴉か 魂迎鳥か 凌霄花も 燃える道行 人の闇路も 此処より過ぎれば 憂き世の誰も 追っては来られぬ 主様 お手を 針の孔ほども ありゃせん後悔は 人でなしの恋 野垂れてござれ がしゃ髑髏 三千世界を 刹那に生き抜き 非道を潜った ふたりにゃ地獄も極楽 すべて捨てて 禍夢の中 さあ入らんか その肩を撫でる 濡羽色羽織 背で 風孕み 闇に舞う 闇 巡り合うたら 命の崖端 確と繋いだ 指の先にだけ 巡る 生き血 罵れ女衆 日の当たる場処で 胸を抉るよに 惚れ貫く悦びも持たず 十万億土は 死んでも遠くあり 外道の棲処は 子飼いの毒蛇も蜜猫 纏いついて 漏れる邪念を たんと舐め取れ 針の先ほども ありゃせん未練は 人で在りし日よ 野垂れてござる がしゃ髑髏 三千世界を 刹那に生き逝き 非道の限りの ふたりにゃ地獄も極楽 すべて忘れ 禍夢の中 さあ暮らさんか