雨の日のエピローグは 音を立てずに始まる 低く 押し寄せてくる 夕闇 西風 黒く光るアスファルト 誘導灯が照らす影 淡い 輪郭の中 漂う 断片 静かに 晴れてくる空気 飛び立つ 時を待つ翼 流れを見定めて 風上を見透かす 計測器の数値 いま 五感と六感の リズム数え直し 走り出せ 飛び出した闇の中は 思いの外の騒音 何も 聞こえてこない 暗がり 憶測 ここでも たぶん日常が 素敵な 夢のような手で 家族のポートレイト 並べたダッシュボード コマンドを操る 意思 空中に浮かぶ自我 感覚の扉を 開け放ち 遠ざかる