君の声、思い出す… 「もう逢えない」って知っていたんだよ。 君の顔、湿ってた。 泣き顔見せないで。 「いつか『もし』またね」 消えて行く、早口で。 僕の声、覚えていて。 「もう会わない」って決めていたんだよ。 僕の耳、均衡ない。(右耳が、あまり良くない) こっちから囁いて。 「わたし『もう』ねむるね」 二度と声は聴こえない。 最後。 六花、幾重にも高く積むように淡く綺麗だね。 夜の竈蔵、まだ溶けずに僕は。 ねえ。 六花、美しく凛としたその貌も好きだよ! 夜の風花、景色をただ見ている。 寝返りを打つ、 向きを変えても懐かしい声は聴こえない。 「大好きなんだよ」と口癖のように。 「大好きだったよ」『気づけなかったよ』 だいすきなんだよ。