窓をあけて 呼吸あわせ むかしばなし 途中で消えても 合図をした 気になっていた 真面目に 最後まで 道に捨てられたスーツケースは、 何日分の洋服で包まれていたんだろ うな。 くたびれたスーツケースは、 少しの生活の空洞だった。 取り壊された廃校は、 何年分の歴史を習わせたのだろうか 。 何年も磨かれた窓は、 いつも休憩所だったのに。 ふとした思い出が思い出になって、 思い出を作ったぼくのメモ帳を、 ごみ箱へ投げて焼却炉への旅。 旅路で作った足跡の数。 それを数える神様がいた。 夜明けが訪れるよ。 困った顔のとなりの君が、 得意気に話した物語を捨てられない まま 夜明けが来るよ