屋根まで飛んで 壊れて消えてゆく シャボン玉の中で眠った 水たまりの 世界は揺れたまま 風が運ぶ 海のそばまで 適当に積み上げたら どこかでどうせ崩れるさ 海岸の向こう それでも君は笑った 何もない僕らを 裸足で確かめた 濡れた砂のざらめき 夜明けは響いてゆくよ 繰り返すさざなみ そこにいてそのまま もう もう どこも行かないで 願いごとは 君の名前を書いた 波で滲む 思い残したように 丁寧に積み上げても どこかでどうせ崩れるさ 言葉は足りない 迎えに行こう 裸足のままで駆けてゆくよ それでも君は笑った 何もない僕らを 黄色い花が咲く 誰も知りえない詩 いつも通りの生ぬるい 風を吸い込んだら ひとしずくの明日が 僕にも見える