季節は巡る。 夕方の影はどこまでも伸びて。 街の縫い目が綻びを見せた。 解けそうな生活。 「またどこかで 会えればいいな」って、 あの決まり文句。 最終回は見送って、 もうちょっとこのまま 続けてみようか。 最低限の暮らしと、 こんな歌があればいい。 思い出になる。 君の溜息で回る観覧車。 どこかの本で読んだ"永遠"と"鵺" を探す旅へと。 「終わらない 歌があればいいな」って、 馬鹿みたいだよな。 最終回は見送って、 もうちょっとこのまま 続けてみようか。 最低限の暮らしと、 こんな歌があればいい。 幸せに慣れきって、 不幸せになった。 そんな退屈だって、 今なら愛せそうだよ。 全てが終わるような錯覚に陥って、 このままエピローグ…なんて、 つまらないでしょう? 息の仕方も、服の着方も、 気が付くとすべてを忘れていた。 あのビルが建つずっとずっと前、 一体ここには何あったんだっけ? 怖くない、なんてわけがない。 終わらない歌なんてありはしない。 でも、 名曲は今も鳴り止まないから、 街灯も疎らこの道を行こう。 帰れなくなっても。 「最高潮は過ぎ去って、 もういっそこのまま 終わりにしようか?」 …冗談。なんてくだらないね。 あと一歩、ほら! 最終回は見送って、 もうちょっとこのまま 続けてみようか。 最低限の暮らしと、 こんな歌があればいい。 こんな夜があればいい。