ひぐらしが鳴いていた、 夕方5時半の空の下 日焼けした肌を 生ぬるい風が冷やしていた 暗くなる前に君を駅まで送った 「永遠はないね」って 君は笑っていた 戻れない日々に焦がれる気持ちが 「自転車がパンクした」 なんて野暮な嘘を僕につかせていた さよなら煽る秒針、抗う様に、 出来るだけ長く居れる様に 2人乗りよりずっと時間をかけて、 並んで歩いてく このまま、君の手を掴んで、 8月32日まで 拐ってしまえたら ないかな、ないよな、 できもしない事を考えては 君の感触に踊らされたまま、 夏の終わりを拒んだ 改札の前で、君は手を振っていた 二度と会えないような、 そんな顔していた 溢れそうになって、 思わず見上げた空に浮かんだ月は 涙でボヤけて花火みたいだった このまま、君の手を掴んで、 8月32日まで 拐ってしまえたら ないかな、ないよな、 できもしない事を考えては 君の感触に踊らされたまま、 1つ2つとまた終わって 3つ4つと忘れていく 失って大人になるなら 子供のままでいれたら良いのに 5つ6つとまた変わって 7つ8つと繰り返して 9つ10で魔法が解けてゆく 夏の終わりへ向かった 夏の終わりへ向かった 夏の終わりへ向かった 夏の終わりへ向かった 青の終わりを悟った