かたわれどき 夕日が落ちそうになりながら 走って帰るランドセルは重かった 自分の身の丈に 合わないくらいの重さを 心と背中にそっと背負ってた 追っていたものは昔から遥か遠くて 手を伸ばそうとしても まだまだ届かない距離にあって それがこうやって やっと時を重ねた今 どうにか腕を伸ばせば 届きそうな距離まで来ている だけどそこで指先、触れたところで お月様は微笑み遠くとんでく それくらいがちょうどいい 心地いい夢は 全て叶えちゃったら 目が醒めるから 手を離し飛んで行った 風船の行く先 瞬いて振り向く、 風前の灯火 ささやかな光に 魅了されて止まない 魅了されて止まない ひたすらに隙間だらけの心の中 ひたひたになるくらい 呑み込んだ言葉 今日は雨上がりのいい匂いがする 世の中が ペトリコールに包まれている そのままみんなの頭記憶メモに残す 自分自身の人生は たった1枚のちっぽけな紙に 全部収まるものでは無いけれど 朽ち果てて忘れられていった後でも 自分はここにいたってことを 証明したくて 1人でも共鳴してくれる人と 出会える人生を歩みたいと そうやって想像上に描いて いつかわかってくれる人が 現れるだろうって期待してた あの幼少の頃の夢はもう叶った 夢が1つ叶っても ほら、また、また、またって 私はまだまだ欲張りになるんだ それが人生だから 生きるってことだから 生きている限り 欲望ってものは止まらない 美味しいご飯を食べたいし 豊かな暮らしがしたい いつしか生み出される欲ってものを 認められるようになって そのままでいいんだって 満たされても満たされなくても それはそれで いいんだって思うんだよね 全てが叶わないとしても ありのまま 心はすでに美しいから キラキラと輝く ダイヤモンドみたいな 宝石を手にしたことは 一度だって無いけれど 人生の価値は 鉱物で測ることができない 人間、ホモ・サピエンス 生まれた時みんな泣いてる この日々を 生きてよかった この道を選んでよかったと そう思えるような