ある日 この町に やって来たんだ 不思議な楽器鳴らす 奇妙な帽子を被った少年 ぼくは 屋根裏の窓で ずっと見てた 広場の崩れた噴水脇に 立つ彼を 聴いたことないような 楽しいミュージックが流れる 涸れた水の代わりみたいに キラキラしてる 思い出すよ ハッピー そんな気分さ すぐに 人々が 寄って来たんだ 最初は子供たちが はしゃぎながら くるくる 踊ってる ひとり またひとり 大人たちも 回る輪の中 加わる 腕を上げて 腰を振って いつか聴いたような ステキなメロディ 恋の唄 ひびだらけの道で 男も女も仕事放り出して 踊る 日が暮れようと 怒鳴ってばかりの 父さんだって 昔若く ぼくとおんなじ しあわせの時っていつだろう 街灯点らない町の 空へ 少年が 歩きながら投げた帽子 黄色い月になる 酒を呑まずとも 男たちの顔はバラ色 肩組み 彼を 追ってく千鳥足 楽しいステキな 音は鳴る 女たちは髪を解き裾を捲り 夢心地で舞う みんな少年のあとに 続いて行くよ 寂しい哀しい 音は鳴る 子供は立ち尽くす だんだん怖くなる 遠ざかってく行列 誰もぼくも だけど 付いて行けない 付いて行かない そして町は 子供だけになりましたとさ!