遠くで鳴っては焦らす花火みたいな 足音に起こされ 薄い麦茶と大人になった顔 眩しくない朝の電光灯 怖いの元と健気な葡萄 今だけは子供になっておこう 褒められた後の頬の痛みも 忘れてしまいそうだけど 暑さに負けて垂れた感想文 ニ分前に買ったアイスの棒 惚けても泳ぎは上手 目の中で迷子になる坊主 温め直した水枕から見た朝が 意外に暗かったから 仕方無く寝ようかな 数えなくては また あと何回 あと何回 考えている頭ごと笑かして 袖には垂れた水道水 感動話にしたがっている それはもう分かりやすい情景描写 肩を震わせて どんな見て呉れか きな臭い台詞はどこで覚えたのか あと何回 あと何回 考えている頭ごと笑かして 腕から伝う 車窓の冷たさにかっかしている 涙脆い目 泣けば良いと思っている 映画の見過ぎで どこか他人事の人生が 映写されるだけ