あかやあかしやあやかしの 散り往く 椿の 語部 日陰の花に 指を伸ばせば 何時か見た夏 蝉時雨 大人びた振りをした 少年の日 その胸に秘められた 傷跡も わすれてしまうよ 不意に訪れる かなしい未来のことも あなたが笑うと やけに眩しくて 揺らめく夕間暮れ 枯れ葉の歌に 耳を澄ませば 何時か見た夢 冬時雨 揺れる眼差し伏せた 少年の日 燃え立つように深い 憎しみも 諸人 挙りて 消え往き 群れ咲く 朱の花 さざめく 夕暮れ 待ちわび 隠した 待ち人 幼い 思い出・・・ あなたの願いを この腕に刻み 解き放てたら 良いのに その闇に触れて 彷徨う僕等は 繰り返し塗り 替えられて 行く記憶 わすれてしまうよ 僕等が描いた 光のみちしるべ サヨナラ。