蝉の声がなくなる頃 またどこかで違う声 赤とんぼが空を舞う 夕焼けが懐かしく綺麗に見えて 心地のいいそよ風に 乗って旅に出てみたい 都会の喧騒(けんそう)抜け出して 爽やかなあの場所に戻りたい 子供の頃感じていた侘しさ 大人になって思い出す気持ち いつもの通りで眺める銀杏並木 落ち葉を手に取り その頃に思いを馳せる 街路樹の下で この夏の終わりを今告げられたあと また新たな季節がすぐ 訪れてくるのかな 四季折々のたくさんの日本の風景 見ているだけで優しさがこんなに 溢れてくるから 秋空に映えている紅葉 ひぐらしと鈴虫の声 紅(くれない)に染まる夕闇が どこか切なく 人恋しくなって 口当たりのいい酒に 酔って夢を見ていたい 褪せた故郷を飛び出して 艶やかなあの街へ行きたい いつだって感じていた寂しさ いくつになってみても 変わらないこの思い 近くの大通りで嗅いだ金木犀 枯葉を手に取り 初めて老いを知った 黄昏ゆく街で この秋の終わりを今告げられたまま また新たな季節がすぐ 訪れてくるのかな 四季折々の様々な日本の絶景 眺めているだけで 涙がこんなにに溢れてくるのは 冬の始まりを今また 告げられたとしても 春遠からじ 春には必ず咲く桜