やわらかな風夏のにおい まわる自転車の影日差しを 受けて透ける髪風を弄ぶ― 手をのばせば届きそうに青い 気の遠くなりそうな空と ひび割れを避けるようにして 急ぐ蟻たち明日には 見えなくなっているこの空を わたしに深く刻もう手をのばし 風に揺れてたひかりは消えた おそらは見ているでしょう 風を含んだ草のにおい さびた屋根に寝ころんで かごに乗せられた子どもたちの 声が響いている からだを通り抜けてく風 空気に透けてなくなりそう 金色にそよぐ腕の毛が風に響いた 朝は白くなってゆくこの空の下で わたしは今日を夢みる手をのばし 風に揺れてたひかりは消えた おそらは見ているでしょう ひとりでそらみあげていた 体がからっぽになったふと思う あなたが暮らしてる場所も 同じ青ならいいのに 朝は白くなってゆくこの空の下で わたしは今日を夢みる手をのばし 風に揺れてたひかりは消えた おそらは見ているでしょう 深く吸い込まれそうに そらは遠すぎて 小さいわたしがいた声がなくても うたえることを知った 言葉は宙に舞った 金色の風をたてがみを仲間たちを 心臓に強く刻みつけて焼くの 夜の風に響く声に怯えた そっと髪を撫でるあなたがいた 小さくひかりが見えた