1990 まだ目を閉じて なんで泣いたまま眠った 撫でてくれる 手のひらは なぜないの どこいった また夕べにみた同じ夢の続き ちょっと待って目覚めないで 願ってぎゅっと握ってみた シャーペンの芯が今ぽきっと折れて 落ちてった 花びら舞うように汚してく めくるページの多さが増えてって めくれるスカートの裾にはじらって 見える景色の遠さに目を背け 暮れる夕日にかかるよ胸騒ぎ 香り付きのペン ふちどったラメもはがれて 時間と褪せて すっかりと 金木犀がいいと歌う 巡る季節をまたいで駆けていく まくる袖に隠した傷の跡や 冷える頬に縮むニキビの赤さ 消える頃には忘れた胸騒ぎ 知らないくせに 知らないくせに 1990 まだ目を閉じて やっぱ泣いたまま眠った なんで なぜそんなことばっか もう 泣きそうだ我慢した