サイコロが跳ねて 転がってきたように マキコはそこに立っていた リスがくるみを見つめる目で エミルはそこに座っている 空気は 凍結されたように止まっていて 焚き火の火すら身をかがめて 自信喪失中の看板をあげた 僕らはどこからきて 今はどこに居て これからどこに 行こうとしているのか 各自小さな声で報告する すると タイマーのダイヤルが カリカリと回り出したようだ マキコは 自分の熱を ダンスで増幅させることを 発明している エミルは 歴史のかけらを どう未来に配置するか 工作している 僕はと言えば 凍ったオイルを溶かすために 祈りの祝詞をあげた 森の遠くか 或いはすぐそこで ムササビが鳴いた 目を凝らして 口笛を吹いて エミルがそれに応える 野生の叫び 静寂 威嚇 共生 ムササビが跳んだ! マキコが跳ねた! 宇宙と地球がぶつかった 野生が理性を剥ぎ取った 僕らを叫んだ きっと 友達だ ムササビは 跳ぶリスと言うらしい 僕らは 今のところ 跳ばない人間 だろうか 跳ぶ人間 だろうか 跳ばない人間 だろうか 跳ぶ人間 だろうか 跳ばない人間 だろうか 跳ぶ人間 だろうか 跳ばない人間だろうか 跳ぶ人間だろうか 跳ばない人間だろうか 跳ぶ人間だろうか 友達の跳ぶリスは どう判断してくるだろうか