明日の事なんて分からないから いつかを思い描いてしまう 隣り合わせの本当と嘘 春も過ぎて移り変わる季節と 何気ない景色の真ん中に 滲んで染まっていく白と黒 ふたりだけのワンルーム 流行りのラブソング流しながら 片手にアルコール このままさめないで 隣で笑うからあなたは気づかない 知らないまま 砂は落ちない 動かない針 このまま夜を迎えてしまえば 逃げ込むように あなたの胸で私は目を閉じる 曖昧でぼやけた未来が 綺麗に見えてしまった 美しいふりした日々 本で読んだあの物語の終わり 突然怖くなって 潤う瞳 考えるのはやめよう 共に過ごした時間も 嘘に変わってしまう前に そっと抱き寄せてしまい込んだ 枯れ果てた部屋で涙を流すの 一輪咲かせる為に 最後は素敵な話にしようよ 隙間からの朝日が 私だけを起こすから もう行かなくちゃ 鍵は置いたまま 空は晴れていた このまま夜が明けてしまえば 砂は落ちて 止まった針はきっと動き出す 壁にかけられた コルクボードに貼られた 写真に映るふたりの 笑顔に偽りなどなかったのに ひとつの部屋のふたつの物語