知りたくなくて 聴きたくなくて 閉じかけたページに 君の事情も その心情も ト書きに書いてある シナリオ通り 全部不条理 あの子は泣いている 被害者の顔をして 間違えないよう 叩き込んだ 台詞が震えている 「信じてるよ」 映画みたいにキスをしたの ドラマみたいに抱き合ったの 見たことないズルい顔をして 私を悪者にしたの ねぇ 君の笑顔が怖くなった 知らない時間が怖くなった あの子に負けたわけじゃないなら これ以上悲しい芝居 させないで ここまでにして 一時停止で まだ始まらないように 本当の愛を 偽物の愛が 超えてしまわないように 誰が見たって お似合いだって 喜んでいたのは 私一人じゃないよね 間違えないよう 刻み込むの 愛されてるはずと 暗転された舞台の上を 見つめるあの子に日が当たる 聴いたことないずるい声出して 私を降板させるの ねぇ 映画みたいにキスをしても ドラマみたいに抱き合っても 君を嫌いになれないまま エンドロールを先延ばした 君の優しくない所も せっかちな朝の支度にも あの子に負けたわけじゃないなら これ以上悲しい私に させないで