代わり映えのしない道 いつものように猫背で駅へと向かう 月曜日の朝は街に リセットしきれない 気持ちが泳いでいた 混み合った車両はせめぎ合っていて 隣の人の香水の匂いに嫌気がさした もう一方では 足を踏まれた人が騒いでいる 巻き込まれないようにと 吊り革を見つめた 知らないふり 見えないふり 気づかないふり 出る杭は打たれるという そのバイブル通り そっと身を潜め暮らす日々 幼い頃からそうさ 「もういいかい?」って聞かれて 「まだだよ」って隠れていた 悔しさなんて今更抱かない 自分の限界くらいは 当にわかっているつもり 流れていく景色を覗き込む度 頭の奥で誰かの声がする 「僕らは例えるなら 時を待つカイトだ 向かい風を捉えたなら 大地を蹴り、跳べ! 目を閉じちゃいけない 突き刺さる風で 例え涙が溢れ出ようとも 高く舞えば舞うほど 広がっていく世界 ふと我にかえった瞬間に 恐怖心が襲うけど 飽くなき執念を 見定めろ目標を そうすれば未来が その糸を引いてくれる 導いてくれる…」 頭の奥の方から 「もういいかい?」って 僕に尋ねる声 僕は胸の中で 「もういいよ!」って 強い眼差しで答えた