ぷかり 浮かぶ 泡のなみだ 無重力に 任せて 浮遊しては 弾けて ぽつり 跳ねた 手のひらには 行き場のない メランコリー 弾けた泡の名残 竦む足元 広がる 何もない景色は深くて 吸い込まれそう いちにの さんで踏み切らなくちゃ 寂しさを数えても 飛び立てないままの翼 四の五のだって分かってる、でも 知らない世界は怖くて ただ このままひとりきり まだ夢を見ていたいの ゆらり ゆれる まどろみから 光の間に揺蕩う 意識を 掬い上げる ひらり 舞った 羽根の行く先は 軽やかに飛び回り コンパスもないままに 澄んだ空気にひたした つま先から 伝わっていく かすかな風向き いちにの さんで踏み切らなくちゃ 寂しさを埋める夢から 醒めたら前を向いて やっぱり目の前は滲んで 足も竦んでしまうけど そっと 明けていく 向こう側 その色を見てみたいの なみだで滲んだ世界は 何にも見えなかったんだ なみだを拭った世界は こんなに綺麗だったんだ いちにの さんで 踏み切っていこう 寂しさは風に溶け いま、心を解き放っていく 四の五のなんて忘れていいよ 知らない未来を抱きしめて 遠ざかる黎明の空 そう、このまま風を攫って ゼロになって笑うから