足音なぞって歩いてた 決められた道 外れぬように どこぞの言葉か知らぬまま 笑い方だけ 覚えてた ひとつずつ 形真似て 花が揺れただけ 空に咲く その一輪の花 色も香りも 借りものだけど あなたの瞳に映ったら 一瞬だけでも 煌めけばいい 風に揺れる術選び 己が名前を 未だに知らぬまま 今はまだ 咲き続け 華やかに 虚ろに残された 徒花 声にならぬ 言葉のあと 誰かの影と 同じ歩幅 手放したものを 拾うように 今日もまた 咲き方をなぞる 音がひとつ 流れたなら ともに 揺れていよう 風に散るその花びらが 想いを運ぶことはなくても あなたの中に残るなら それは強くも 生きた証 何も持たず 何も知らず ただ「綺麗」と言われたくて 本当の心がなくても 誰かの光になれたなら 空に消えゆく この命 見せかけでも 嘘でもなくて 最後の一弁 なりえても その瞬間を 愛せるのだろう 空に咲く この一輪の花 風にまかせて ほどけるだけ それが最後と 知らぬままでも 一瞬だけでも 煌めけばいい 咲き誇り そして散り 何も残せぬまま 消えたとしても 空のまま 空のまま 艶やかに きっと夢に映る空虚花
