雄大に聳える守門岳のように 彼は何かを守ることは 出来たのだろうか 弱者を篩にかけるかの如く鎮座する 谷川岳のように 彼は自分に 厳しくいられたのだろうか 広大に流れ続ける信濃川のように 彼は自らを貫き通す事は 出来たのだろうか 夜空に咲き誇る長岡花火のように 彼は誰かの心を動かす事は 出来たのだろうか 終わりがすぐそこに来ていると 気付く度に 彼は自らを律する事が 出来たのだろうか 誰かよりは恵まれているという事に 彼は有り難みを感じる事が 出来たのだろうか 頬を伝い零れ落ちる 涙に対してさえも 彼は暖かみを覚える事は 出来たのだろうか また憂鬱な月曜日に目覚める事に 彼は生きる喜びを見出す事が 出来たのだろうか しかし今となってはどれほど 考えたところで そんな事は知る由もない 何故なら彼という存在は既に心を 失いかけ まるでブレーキの壊れた 列車のように 急勾配の坂を下る事しか 出来ないからである ただもしもスイッチバック 式の線路のように 何処かで折り返せる ポイントがあるのだとすれば その人生もまだ捨てたものではない どうせ暗闇の中を生き 続けるしかないのであれば 僅か一筋の光を見付けるためだけに このトンネルを掘り続ける事にも 意味があるのかもしれない (He smokes cigarette.) なあRYUSEI まだ行けるか?