あのね、昔々 あるところにね 神様の子が生まれたんだって それで、珍しいもの見たさに 群がった人が死んでいったとさ 「この手と目と耳と口と心を取り替 えましょう」 そうやって一個二個と奪われ 神様の子はいなくなりました 必然的戦略の上で 絶対的に戻らない物語 お手手とお手手合わせよう 生まれ変わったら 強くなりたい もう何万回だって泣いて 何億万回だって笑ってる 悲しみも喜びも夢も全部が 偽物だった ある日、神様の子が言ったんだって 「どうか私を殺してよ」って 君が望む “理想の誰か”って 私じゃなくてもいいんじゃないかな ? 息を吸って吐いて捨ててきた酸素 放置してきた嘘 目が見えなくなるまで見てきた あの日を忘れない 神様の子は消えた 誰も上手に扱えずに 期待と愛が歪んで バラバラにされて殺された 一生懸命な愛も 助けてもごめんなさいも 壊れた心も個性も全部全部 見世物だった 必然的戦略の上で 絶対的に戻らない物語 お手手とお手手合わせよう 生まれ変わったら優しくなりたい もう何万回だって泣いて 何億万回 後悔してきた 不安も迷いも絶望も全部が 偽物だった 偽物だった偽物だった偽物だった 何もかも 偽物だった 偽物だった 偽物だった つい、先日 東京のあるところにね 神様の子が生まれたんだって。