物語のプロローグ 白い靄の中から始まらずに 真っ直ぐに突きつけられるナイフ 瞼の奥の奥に忍び込んでいる その気配に気づかずに 昨日の夜を閉じた どうして まるで 知らない言葉を話しているみたい 聴かせて 水色のラストソング 君のすべてを彩った もう二度と会えないのなら 言えそうだ 霧雨凍る日のこと 絡まるマフラーとメロディ 何ひとつなくしたくない 忘れたくはない 物語はエピローグ 腑抜けのままの僕は 逃げもせずに 動けずに 両手を上げるだけ 命拾いしたって 出口はどこだ ただ明けずに 真っ暗に滲んで消えるなんて どうして まるで 知らない街を歩いているみたい 聴かせて 水色のラストソング 僕のすべてを彩った ひび割れた唇でさようならを 春風待ち侘びる鉄塔 君の目に映るアンソロジー ねえ、もしも触れられたなら 奪ってしまいたい 終われないラブソング 君のすべてを彩った 震えている指先が届きそうだ うつつに降り注ぐ結晶 続きはいつもここにある 何ひとつなくしたくない 解け残るよ 何ひとつなくすことはない 花咲く季節を