右には赤く咲いたあなたの艶色 溢 れ滴る 左には青く褪めた私の鈍色 絞り出 す 「手と手を合せて頂く無残絵」 嗚呼…誰も気付いてはくれない残酷 右も左も噛み痕だらけ 私が「餌」 と言う実 そんな私の「餌」として差し出され たあなたが 「吐き戻す程に不味い」 あなたの現を描きましょう 夢をなぞれば彩に晴々 私の現は誰が描く? 夢をなぞれど指をしゃぶられるだけ 今…命の意味は潰え 然れど燃えた滓 を愛でる 傷に舞い 病みを詠う そんな物好き の戯具 今…死の自由すらも剥ぎ取られる傲 慢 傷は埋まれどその痕は消えぬ儘に 素知らぬ面で抉り取る死生の尊 「是空」 蜷局を巻いて私に雪崩れ込むは人の 膿 もう…飲み干さなければ息も出来な い有様 生きて…生きて…生き 永らえようとす ればする程 ただ酷く惨めたらしい 胃液塗れ 人 間色の嗚咽 否…死の際に佇めば どっち付かずの 死にたがり 故にただ誰かに生かされたい死にた がり 否…紡ぐ痛み…苦しみの全てが嫌 刹那の中で焼払い屠って欲しい 素知らぬ面で抉り取る優しさを 無に落つ私の手を掴み誰のモノとも 知らぬ その心に爪を立てて痛みに咽び泣か す 誰かの「独り善がりの悲劇」「独り 善がりの喜劇」 その何方にも幕を下ろして… おしまい 私は私の為にどう生きる? 「是色」