だれも知らない 何(なん)にもない そこにひとつぶの 宇宙が生まれた 花が咲いてる 昨日までは モノトーンの 土手の隅に 雲が泳ぐよ さっきまでは ただ真っ青な 丘の上を 眠りにおちて 数えていた羊の数 途切れたまま 痛みが ひとつ消え去って 明日の朝が 待ち遠しい だれも知らない その瞬間 ここにひとつぶの 宇宙が生まれた 夕焼けの裾 夜の手前 ぽつんと光る 一番星 暗くなったら 満天の星 まばたきさえも 惜しいくらい 一日1°(いちど) 巡る季節 生まれる星 消えゆく星 遥かなる空 地平越え 始まりの波 聴こえるでしょう だれも知らない 何にもない そこにひとつぶの 宇宙が生まれた だれも知らない その瞬間 137億年前に 私は生まれた