風が窓辺に来て 手のひら冷たくする ひとり頬づえつく おだやかな日曜日 小説の後書きを のぞくみたいに なにもかも 初めから 見えればいい ため息も ときめきも 長い日記も いつの日か届くかな あなたまで 目をつぶって 告白して 独り占めにしたいけれど 笑われたら 嫌われたら もう 逢えなくなる あなたに 雲が流れて来て 雨がガラスたたくよ ひとりピアノを弾く エチュードは片思い 週明けのカフェテラス あなたはじっと 友達の悩みごと 聞いていたね いつもなら いたずらに はぐらかすのに もしかして 恋なんかしているの? 電話ならば 手紙ならば 伝えられる気がするけど このままでもいいよなんて 別の声が言う 心に 雲が流れて来て 雨がガラスたたくよ ひとりピアノを弾く エチュードは片思い 風が窓辺に来て そっと勇気くれたら 赤い傘をさして あなたの街へゆくわ