白雪の子、毒林檎の解。 深い、深い。永眠の森に迷い込んだ 『白ノ日』の事です。 真っ赤な目のウサギさんが、 私を嘲嗤っていました。 其は、ママが左腕の皮膚に、 悪夢を刻みつけたからだと確信し、 嗚咽に混ざる程の、 小さな小さな声で、 静かに呟きました。 然様なら。 一人目の他人、二人目の他人は、 ゐ、亡くなり。 何人目かの他人が、呟きました。 ぽつり。 「鏡よ、鏡よ、鏡さん、 あの子供を殺して下さい!」 七歳。裸足。逍遙。 深い、深い、森の奥。へ。 七人。小人。手の鳴る方。へ。 来て御覧。よ。 未だ暗い夜明け前に、 八人の笑顔が在ります。 99.974℃、 温かいスープよりも心に沁み 渡りました。 嗚呼、ママ…両の腕で一度、 苦しい程に、抱き締めてよ… なんて、我儘を言う事に、 一度だけ許しを請います。 御免なさい。 『白ノ日』 以来、何度も私の元を訪れる、 懐かしい香りのする、 老婆の誘惑に耐えられず、 噛り付いたその果実の毒で、絶命。 悲劇の森に白馬に跨った、 王子様が遣って来る筈でした。 ねえ…誰か…誰か…。 この際、誰でも良いです…。 私(仮)を、見つけ出して、 接吻を、為手下さい…。 終に、鏡が告げました。 終焉を告げました。 呪われた心臓を、 颯々と抉り出して下さい。 ねえ、ママ…両の腕で最後、 苦しい程に、抱き締めてよ… 最期まで、確り、 気付かない演技を為るから、 老婆の暖かい腕の中で、 永眠に就く事が出来て幸せです。 「ごめんね、又、約束の頃に、 ネクロポリスで、ね…」
