言葉を交わすことなく 白のネコ 黒のカラス 潰れた店先で雨宿り 道を迷う人だかり 傘もささず気づかずに 麻痺をしているこの街は 寂しさのブランケット包まり息を 吐く ありふれた日に別れを モノクロの明日はどこ忘れている 言葉を交わすことなく 白のネコ 黒のカラス あなたを見つめているの セピアの窓辺で ある朝真っ白なネコは 少女に言葉をかける 『泣いているの?』 おそるおそると 疎まれ忌み嫌われて 苦しみを飲め込めない その瞳は助けてと 死にたいなら僕が 代わりに死んでやる 君は生き直せばいい 冷えた手を握りしめ 少女は消えた お節介なネコだと カラスは茶化すのだ 生きるのは疲れたのさ 死ぬことも叶わずにため息だけ 言葉は一つ二つで 白のネコ 黒のカラス あなたを見つめているの 死ぬその時まで
