君が好きだと言えず 伸びる影ぼうしふたつ 綿毛のようにさまよう言葉 街の灯に紛れてく いつもさりげないけど 近くにいてくれたよね 真夏の陽射しも冬の木枯らしも 共に過ごした景色 だけど 秘めた想い きっと気づいていないんだよね 交わるまなざし 時を止めて このまま 桜舞い散る 君の背を探していた 陽だまりを 見渡して思い知る ここにはもういないと 夢見た未来は いつだって眩しすぎて 「さよなら」と風の間に告げる また逢える日まで抱きしめたい ゆらり揺れるスカート 声が聞こえた踊り場 遠く離れた気がするこの距離 それは心のままで いつか笑い合える 青い思い出になるのだろう 最後になる予感に 目をつぶり駆けだす めぐる季節はいつだって 置き去りにする これからの君がいない日常 思い描けなくて 煌めいた涙がとめどなく頬を伝う 「愛してる」なんて大げさで でもそれ以外に浮かばないよ 好きだよと言える勇気が ああ もしあったなら 叶わない夢だとわかっていても だから選んだのに このまま私は ありきたりな大人になり ふとした日 アルバムを開き また君の笑顔を 探すのだろう いつも君の声を 想うのだろう