夏の残り香に耳をすませば 少しの痛みと柔らかな温もりが さよならを歌っている 夏の面影を思い出しては 隙間風が時々傷を撫でて かさぶたに変えていく 嗚呼 忘れることはない 走馬灯で逢いましょう 心の中の人よ 走馬灯で逢いましょう 夏の抜け殻を一人歩けば 少しの陰りと柔らかな陽だまりが 相まって揺れている 夏の轍が伸びた道を 振り返れば 時々傷を撫でた 風たちが手を振って 時の中で 少しずつ 変わってしまった 夏をまた 思い出す 嗚呼忘れることはない 走馬灯で逢いましょう 心の中の人よ 走馬灯で逢いましょう