それは野に可憐に咲いた 揺れる花々ではなく しいて言うは 戦(いくさ)の後 咲き続けてる 一輪花 泡沫の時間(とき) 今宵も月と 朧に聞く 武士(もののふ)の詩 閻魔様も そう鬼でも 極楽へと 女盛り この身一つ 艶やかに舞う蝶は遊ぶように 漢たちの夢を纏え 儚さと美しさよ 濡れてる瞳と 交わればすぐこの世も 忘れてゆく 至極の恋 幻すら真(まこと) 涙なんてとうの昔に すでに枯れてしまったから 嬉しきこと 悲しきこと ただそれは夕凪のごとく 全ては一夜限りとしても 心に風吹く涼やかに 逢う度また増えた傷を そっとなぞる 花盛り ただ寄り添う 花びらは舞い落ちるあなたのもと ひらり想いをのせ 待耐え忍ぶもまた愛かと 紫煙をくゆらせ ひたすら深い夜へと 言の葉なぞ 野暮なだけさ もし最後としても ときにふりかかる火の粉振り払う 浮世の人の業よ その炎も結構じゃないか ほら まるで赤い大輪の花 愛でてあげよう さぁおいでなさい ここじゃ誰もただの人さ 女盛り この身一つ 艶やかに舞う蝶は遊ぶように 漢たちの夢の数だけ 輝こう 鮮やかに あぁ雲の彼方へ どこまでも続く道を 歌い踊り 歩いてゆく そうさ女一輪