代わる代わる変わっていく 僕のこの世界 いったい10年後のこの僕は どうなってんだろう? 僕 14歳の春に何か変わり始めた 僕のチンコにも毛が生え声も変わり始めた 人の目がとても気になり胸の膨らみも気になり その年の冬にはパパを親父と呼んだ 代わる代わる変わっていく 僕のこの世界 いったい10年後のこの僕はどうなってんだろう? 僕 17歳の夏に色々覚えた酒とタバコはもちろん うまくつく嘘も覚え 初めてのキスで恋が愛に変わった でもその度に何かが音を立てて崩れた 少し怖くもあったけど 振り向かなかった いつでも世界は僕の為にある そんな気がしてた 僕成人式を迎えて何か変わろうとしてた 初めて僕の未来をちょっとリアルに考えた 結婚・就職・夢 何が大切なんだろう 気が付くと僕はここで歌っていた 何が正しいか知らない 知りたくもなかった 何かを守るために僕は何を捨てたんだろう 僕 24歳の時に故郷を離れた 遠い東の空に何を望んだのだろう 僕を支えてくれた愛する人でさえ 捨ててまでも僕は何を望んだのだろう 僕 25歳の時に歌が仕事になった ここに辿り着くまでたくさんの仲間が 歌うことをやめて僕から離れた でもその度に僕はそれを歌に変えたんだ 何かを望めば何かが僕から離れた 時には歌い続ける日々にさえ迷う夜もあった 僕 28歳の時に初めて挫折を知った 心に爪痕が残り道を失いかけてた 親からの電話は胸を痛めるだけで 僕は元気でいるよと嘘を重ねてゆき 僕らが描いたあの日の未来図はどこに? 初めて僕はここ東京で故郷を憶った 僕 30歳を迎えてまた歩き出したんだ ギター一本抱えてどこでも歌ったんだ 誰も振り向かない夜も雨や雪や風の夜も 愛する人との約束を捨てた夜でさえも 僕 35歳の時は激動の日々だった 僕らの中にも遂に結婚するヤツもできた 夢と現実の狭間で激しく揺れながら 心が折れそうな時は強く床を踏みしめた 今日まで出会った人たちの笑顔を思い出し いつかはこれが未来に繋がると信じて歌ってた 僕らの夢はどこまで続くのか? 過ぎ行く時間に焦りはあるけど あの頃の僕たちがまだやれると笑う 僕 36歳になった 何が変わったのだろう? 酒とタバコはやめた でもキスの数は増えた あの頃を覚えていく度に 崩れてったものたちが 今の僕にはとても大切に思えて あの頃必死で捨てようとしていたものが とても温かく でも僕はもう二度と二度と戻れない だけどもいつかまた振り返れば 今日があるわけで つまりはそうやってこれからも 歳を取るのだろう これからもずっと 歳を取っていこう 10年後も変わらない 僕は僕のままだ 10年後も変わらずに 僕ら僕らのままだ