はだかのメモリーカード スケルトンの光るコントローラー ラスボスに辿り着けず諦めた 人生最後のセーブデータ 5時まで暇を持て余して ポテチ持ち込んで入り浸って エアコンの効いた部屋で僕ら 夢中だったのさ 忘れちまったなぁ 取り損ねた青春に手を伸ばして 悪くない出来の物語を 進めるほどしんどくて レベル上げばっかで つまらなくなっていくクソゲーも いつか思い出になった頃に ワラえてしまうものだ 〇ボタンは擦り減って ✕ボタンしか押さなくなった 「プレイ動画で充分だ」と 思うのは自然な事 って言い聞かせた 子供の趣味は卒業して 大人の趣味はハマらなくて 時間は貴重な資源だから 渋っちゃうんだよな 離れちまったなぁ 好きなものがわからなくなって あえて言うほど困らないので 向き合うことも忘れて 強敵ばっかで やる気が削がれていくクソゲーも 意外とバグだらけなことに 気付いてしまうものだ 理由なんて後付けだった それ以外好きにならなかった もう一度やり直せるなら 外で元気に遊ぶかな ……出来るもんならな(笑) 忘れちまったなぁ 取り損ねた青春に手を伸ばして 選んできた過去の選択肢は 二度と変わらないのに レベル上げばっかじゃ つまらなくなっていくクソゲーだ 「初めから」はもう押せないが 主人公は僕だ