白い吐息だけが 夜空にほどけて 凍える街角で 名前を呼びかけた 聞こえない声ほど 胸に残るのは 君を追い続けた あの夏の残像 手袋越しじゃまだ 触れられない想い ひび割れた心の かけらを拾い集めて 消せない時間だけ 静かに積もってく 痛みだけが今も 確かに生きている 最後に言えなかった 言葉の重さが 冬の空に散って もう戻らないまま たとえ追いかけても 届かない距離で 君の涙だけが いまも胸を濡らす 苦しんだ分だけ 傷は深くなり 忘れたいほどに 忘れられなくて 止まった夏だけが 胸で泣き続ける 凍える季節でも まだ息をしている 風に紛れ込んだ 君の笑い声が 一瞬だけそっと 心を焦がした 戻れない景色ほど 鮮やかになるから 立ち止まるたびまた 痛みを思い出す あの日の続きには 触れられないまま 君が消えた理由も まだ言葉にできない 失った季節だけ 胸で揺れていて 答えのない旅を ひとり歩いてる 苦しんだ分だけ 心は揺れて 君を失った痛みは まだ消えないけど それでも歩き出す理由を 探している途中で 凍える冬の先に 見えた灯りはまだ…遠い 苦しんだ分だけ 心は震えて 君の面影だけが まだ道を塞ぐ それでもほんの少しだけ 前を向けそうで かすかな光だけが 遠く瞬いていた 「あの日の続きは…いつか 話せるといいな」
