Track by北原謙二
汽笛がボウッと 鳴った時 あの娘はたまらず うつむいた 野菊の花束 だいた手が かすかに かすかに ふるえてた 泣くなよ泣くなよ きっとだよ 僕もあとから ゆくからな トンネル峠の 切り株に しょんぼり坐れば おもいだす 線路にこぼれた 菊の花 ひろって帰った あの朝を 泣くなよ泣くなよ きっとだよ 僕のゆく日を 待ってろな 私と思って 下さいと あの娘が残した ボールペン いまごろ都の 片隅で ひっそり暮らして いるだろな 泣くなよ泣くなよ きっとだよ 僕ももうすぐ ゆくからな