北極星を右に見て国道202号をゆく 光の線を作って 夜明けの海を目指すの バイパスを抜けても未だ 昨日が終わる気配は薄く 季節は変わり始めたとはいえ 空気は冷たいな ピントの合わない時間に漂って 霞んで見えている遠くの岸辺に 眠っている人たちのことを 思ってみました どこにも行けずにずっと 足踏みをするような日々でも まがい物だとしても 糸を手繰り取り戻す 心地いい波間を抜けだしてしまおう 掠めて飛んでいくウミネコの声に 合わせて揺れている水面に映る青 震える感覚その手に掴んだら 血の巡る温度で指先が痺れる 霞んで見えている遠くの岸辺に 眠っている人たちのことを 思ってみました