燃ゆる月 道の果て 灯る雪洞に揺り揺られ 歌え踊れ 今宵は宴 祭の太鼓が鳴る しらべ 化作の迷い言葉 現世に紅をさす 『胸焦がした旅情けも 今や忘る頃か?』 説破 いまだこの身は 悟るには宵の口 忘るるものか 忘るるまいぞ 溶いた白粉に隠す 然らばあばよ 人は誰も 一人遊びの 独楽なれど 流した ん泪のこヽろは うつりゆきゆかぬ 咲き乱れ 舞い踊れ 数多の雪洞が揺り揺れる 今宵 呑めや歌えや 酔いの果て 醒むるるものか 醒むるまいぞ 鳴らす鬼太鼓のバチ乱れ 今宵 月は美な瞳瞳と 満ちる十六夜の宴よ 踊れ日の出がさすまで 出会う友の姿 彼方より来たる在り 『ともすれば、これも一会か』 心予めた 切った張った 喧嘩独楽 鳴らせ 囃子の鼓 負るるものか負るるまいぞ 童心地に応える 尽きらば ままよ いざ身投げも 厭うことなく 悔いも無し あるいは これこそが果てなら 鼓動の高鳴る 散りぬるは かの夢か 我が世ぞ 天元の常ならむ 今宵 色は匂えど 月見れば 止むるるものか 止むるまいぞ 御形 弁天の裾乱れ 今宵 夢は美な煌々と 燃ゆる片時の命よ 歌え 日の出がさすまで 語る言葉 故語れど是非も無く 歌うことは 故言わねど身を寄せぬ いざ明くるまで 今宵は宴 二度のない 刹那のしらべ はぐれた人は いまいずこか 風の便りも わからねど 流した ん泪のこヽろは 夜風にさまよう 然る人を想う 眺むれば 天の川 数多の雪洞が揺り揺れる 今宵 呑めや歌えや 酔いの果て 醒むるるものか 醒むるまいぞ 鳴らす鬼太鼓のバチ乱れ 今宵 月は美な瞳瞳と 満ちる十六夜の宴よ 踊れ日の出がさすまで