砂山の夕日 地平が飲み込んでく ゆるい風の当たり 髪が軽く揺られ 僕らは自由だったのにどこにも 行けなくて あの歌にも慣れないまま 今もここにいるの まだ何者にもなれない 夜に惹かれ 太陽がいつか 月になれはしない 僕らの自由 錯覚したまま走った スニーカー底 挟まったままの石ころ一つ 風 巻き込み飛び出した 旅立ちに 薄くなる昼のあとに 落ちた汗が乾いてく 温い缶の軽さ 欠けた夏の重み 炭酸が飛んで 顔にあとを付けた 軽いビートが解いてく 物事のしがらみを 今は忘れた あの季節の匂いだけ 舞い上がれば近づいた 旅立ちに 吹き飛んだ埃のあとに 落ちた汗が乾いてく 風 巻き込み飛び出した 旅立ちに 揺れている 希望の花は傍に無いけど 続いてく